2016/12/16 Category : 自作関連 自転車のドラム抜きを自作した話 世に出回っているシティサイクル(いわゆるママチャリの類)の大半にはドラム式ブレーキ(もしくはその仲間)が採用されている。 このブレーキのドラムは、その構造上、ブレーキを使えば使うほど固く締まっていく。 これに長年のサビ等が加わると、それはもうとんでもないほどの固着っぷりを発揮し、タガネで叩こうがバーナーで炙ろうが外れなくなってしまう。 2年ほど前、父の自転車のブレーキドラムを抜く必要性が生じたのだが、なにしろ30年物の自転車。先達が世に公開してくれている様々な方法でも全く歯が立たないほどに、超スーパーミラクルワンダー固着してしまっていた。 そこで、先達の英知をベースに50年におよぶ研究を重ねた末「30年物専用ドラム抜き工具」を開発したところ、思いのほか良好な結果が得られたので、彼らへの敬意と感謝を込めてここにまとめておく。まず、材料 材料は、上の写真のもの+直径30mm×長さ1m程度の単管パイプ。黒いボルトはM6の強化ボルト。30年物を外すには普通のボルトでは歯が立たなかった。長い両切りボルトは車軸と同じくらいの太さで、長さは20cmもあれば足りる。家にあったのでこれを使ったが、両切りである必要もない。後の写真を見てもらえればその理由は分かる。私の場合は強化ボルト以外は家にあったのでそれを使ったが、仮に全部買ってもホームセンターで500円程度だと思う。次に作り方。まず、単管パイプに穴をあける。5.5mm径くらいの穴を65mmの間隔をあけて2つ。その中間に適当なサイズの穴をひとつ。 両端の穴に強化ボルトをねじ込んでナットで固定ボルトはパイプから約20mm程度はみ出るように(ドラム穴に引っかかり、且つスポークに触れない長さ)。 これで自作ドラム抜きの完成!カンタン! どうやって使うかというと、この工具を こんな感じにホイールにセットする。ホイールは予め車軸を抜いておく。2本のボルトをドラムの2つの穴に引っ掛け、ワッシャとナットを使って遊びがないようにしっかりと挟み込む。ボルトの先がスポークに触れる場合はワッシャ等を使って調整する。※因みにこのホイールが例の30年物。リムはステンレス製でしっかりした作り。 上の状態になったら、ホイール外周部を荒々しく両手でがしっと掴み、ありったけの憎しみを込めてパイプの先端を地面に叩き付ける!!すると、今までの苦労が嘘だったかのように、驚くほど簡単にドラムが緩んでくれる。※実際は、パイプの先端を振り上げ、出来るだけ垂直に地面に振り下ろすことに主眼を置きましょう。力む必要は全くありません。イメージ的には、斧とかクワを振り下ろす感じ?わざわざこんな記事を読む方に詳細を説明したりはしないが、ホイールの持ち方を間違えると逆にドラムがしまったり、ホイールがぶっ壊れるのは言うまでもない。また、叩き付ける地面はアスファルトやコンクリート等の本当に固い地面が良い。 この工具を使って他の自転車のドラムも数台外してみたが、10年物やサビの少ない物はパイプの先端を軽くコツンと地面にたたくだけであっけなく回ってしまった。子供でもカンタンに外せてしまうであろうレベルだ。一般的に、この手の固く締まったねじ部を回す定石としては・回転力以外の力を極力かけないこと(斜めに力をかけない)・工具を固定するなどして、回転力以外の方向に力が逃げないようにすること・工具のモーメントアームを長く取ること・なんなら、工具の先端に打撃を加えることなどがあり、これらを徹底すると思いのほか簡単に回ってくれることが多い。今回作った工具は、長いパイプの先端を地面に叩き付ける力を出来るだけロスなく回転力に変えるという、上記の条件を満たしたものではないかと思う。 材料費も安いし、電動ドリルがあればカンタンに作れる(しかもホームセンターでレンタルできる)ので、「30年物ドラム抜き愛好家」の方は是非一度試してみてはいかがだろうか。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword